前回のレクチャーでは、コンフォートゾーンを抜け出すことについて勉強をしました。
コンフォートゾーンとは、今のあなたにとって居心地のいい領域であり、そこを抜け出すには圧倒的な熱量が必要になります。
なんとなくお金持ちになりたい、もっと生活が楽になったらいいなぁ、という曖昧な想いでは、コンフォートゾーンから抜け出すことができず、現状維持の生活が続いてしまうので、自分の熱量、そして、失うものと手に入れるもの、その期限を明確にすることが大切でした。
今回のレクチャーは、コンフォートゾーンを抜け出すのに非常に有効な方法の一つである、「メンターと出逢い、モデリングする」お話をしたいと思います。
Contents
1.メンターの本質とは、未来の自分
メンターとは、単に何かを教えてくれる存在ではなく、あなたの人生に大きなきっかけを与えてくれる人であり、「未来の自分はきっとこういうことをしている」と思えるような、未来のあなたが目指すビジョンを既に体現している存在であると言えます。
神話や物語などでもメンターとの出会いによって物語が急速に展開していくのが見られますが、有名な小説の『かもめのジョナサン』もまさにそうです。
主人公のカモメ「ジョナサン」は、他のカモメたちが餌のために飛ぶのに対して、飛ぶこと自体に価値を見出していた。食事をするのも忘れて飛行の探究に打ち込み、時には危険な飛行練習を行うこともあった。ジョナサンのストイックな飛行練習は、他のカモメたちには奇異に映り、カモメの群れ社会から追放されてしまう。追放されて一羽になっても訓練をやめないジョナサンの前に、2羽の光り輝くカモメが現れ、ジョナサンはより高次なる世界へ導かれる。「目覚めたカモメたち」の世界でも、ジョナサンは高度な飛行術を身に付けるために特訓に明け暮れる。ジョナサンは、もう一つ上の世界を目指す長老のカモメ「チャン」に出会い、長老から「瞬間移動」の秘訣を伝授される。さらに、過去と未来を自由に行き来するための訓練を行い、最終的には「他人を愛すること」の大切さを説かれる。この高次な世界で学んだことを、地上のカモメたちに伝えるために、ジョナサンは地上に降り立つのであった。ジョナサンは弟子を連れて下界に降り、カモメの人生は飛ぶことにあるという「思想」を通常のカモメに広めようと試みるが、下界のカモメからは悪魔と恐れられるようになる。カモメたちの「完全なるものへの歩み」は、まだ始まったばかりだった。(かもめのジョナサンより引用)
この物語には、メンターといかにして出会い、そしてメンターとの出会いから弟子への伝承までの流れが描かれいます。
時として、強烈に憧れるような人やカリスマ性のある存在に出逢い、その人をメンターと慕うときもありますが、その時に注意して欲しいのが、自分と似た特性やバックボーンを持っているかどうかということです。
例えば、ペンギンが、空を飛べる鷹に憧れて、鷹をメンターにしてモデリングしようとしても、同じ成果を生み出すことは難しいですが、イルカに憧れてモデリングするのであれば、鷹をモデリングするよりも高い成果を生み出すことができます。
本来であれば、自分と同じ、ペンギンのメンターが見つけるのが一番よいのですが、自分の成長とこれまで何を与えて生ききたのかによって、メンターとの出会いの時期や質が変化するため、人生において素晴らしいメンターに出会うには、「自分がメンターにして欲しいことを、自分が縁のある人たちにすること」が効果的です。
メンターと出会うためにも、自分がどんな人生を生きていきたいのか、何を大切にしたいのか、どんな感情をどんな人たちと分かち合いたいのかを明確にして生きていくことで、人生を長期的に共にできるメンターと出会うことができる可能性を高めていきましょう。
まずは、自分が惹かれる人に直接会いに行くこと、そしてその人と過ごす時間を増やし、本当に自分が公私ともに、生涯をかけて関わっていきたいと思える人かどうか、そして相手も同じか、それ以上に自分に対しての思い入れを持ってくれるかを体感してみてください。
本当のメンターは、あなたのことを自分の家族のように想い、損得感情を抜きに、あなたに無償の愛と知恵を与えてくれます。
そして、そんなメンターと出会えたら、モデリングをしてみましょう。
モデリングとは、心理学者のバンデューラが発案した考え方で、自分がまだ体験学習していない事柄でも、誰か他人の体験を真似て学習することで、その体験を自分自身のものにすることができるというものです。
例えば、「東京タワーの絵を書いてください」と言われたときに、自分のイメージだけで描くのと、実際に東京タワーを見ながら書くのでは、成果に大きな差が出てきます。
モデリングは、自分が得体成果を既に得ている人を真似ることで、その人と同じ成果を生みだしていくことに本質があり、武道の世界でも、守破離と呼ばれる手法になります。
ただし、モデリングというのは、その人のスキルのいいとこ取りではなく、人格(あり方)と能力(やり方)の両方をきちんと受け継ぐことに本質があり、あなたもまた、誰かのメンター・モデリング対象として、預かっている叡智を渡していく立場になることを忘れないでください。
あなたがメンターのいいとこ取りをすれば、いずれ、あなたも誰かからいいとこ取りをされることになるので、メンターから「あなたに、私のこれまでの経験を分かち合いたい」と言われるような自分自身を育てていくことも必要です。
2.WORK4-2 効果性の高いモデリングを行うための3つのステップ
1.あなたが得たい成果、理想の状態はどんなものですか?
自分が得たい成果、理想の状態を確認します。ここでの成果は売上や収入ではなく、お金=感情なので、まず自分が得たい感情を明確にし、なぜその感情を欲しているのかを確認した上で、必要な売上や収入を後付けしていきます。また、理想の状態に関しても、あまりに自分とかけ離れたものではなく、自分の特性や才能を活かしたらこんな状態になれる、となぜか確信できるものを思い描いてみましょう。
2.あなたが得たい成果を既に得ている人は誰ですか?
で得たい成果(感情)や理想の状態がが明確になったら、それらを既に得ている人を探します。ネットで探したり、口コミを聞いたり、本屋などで気になる著者を見つけても構いません。いいなと思ったら、実際に会いに行ってみること、そしてできれば、直接話をできる機会を作りましょう。遠くから見るのと、実際に接するのでは、いい意味でも悪い意味でも、自分が持っている印象とは違うことが多々あります。そもそも、話すら聞いてくれない人であれば、どんなに優れた成果を出していても、人格的にはまだ発展途上なのかもしれません。いろいろな話をざっくばらんにできる関係を作ることから始めましょう。
3.その人は、どのような環境で、どのように時間を使い、どのような在り方で、どのようなやり方を実行しているでしょうか?
メンターと深い話ができるようになったら、成功する前のストーリー、大変だった思い出などを聞くことで、どのようにしてその人が今の状態になったのかを理解できます。そしてメンターからアドバイスをもらいながら、モデリングを開始します。この際、モデリングを嫌がる人ではなく、応援してくれるメンターが望ましいですが、こそこそモデリングするのではなく、きちんと本人の承諾を得て、共に成長する機会として喜んでもらえるような関係を作っていきましょう。
4.この章を読んであなたが感じた直感はどのようなものでしょうか?メモを取り、行動してみましょう。
(1)あなたが得たい成果はなんですか?
(2)あなたが得たい成果を既に得ている人は誰ですか?
(3)その人は、どのような環境で、どのように時間を使い、どのようなあり方とやり方を実行しているのでしょうか?
(4)この章で感じた直感はどのようなものでしょうか?
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